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フィラリアの吊り出し手術って一体なに?

2019年09月09日
猫を見る医者

フィラリアを発症して手術が適応になる場合の手術名は、一般に吊り出し手術という名前で呼ばれています。この名前の由来は、感染した動物の内臓や体内からフィラリアの成虫を吊り出す作業を行うことからきており、最終的には吊り出されたフィラリアの成虫が体外へとでてくるのです。

吊り出し手術が適用となる症例は、予防薬の投与が適切ではなかったペットや、そもそも予防薬を使用していなかった動物で、運悪くフィラリア症を発症してしまった症例です。比較的軽症の場合や、成虫へと成長する前に感染に気が付くことが出来た場合は、薬による治療のみで完治が見込めますが、発見が遅くなってしまい、成虫へと成長してしまった症例や、特に何匹もの成虫がすでに体内に侵入してしまっている場合には吊り出し手術が最も有効な治療法になります。

吊り出し手術が実施されるような動物においてはすでに様々な症状が出てしまっている場合が多く、例えば肺機能が低下することで呼吸困難を呈していたり、循環不全を起こすことで貧血や腹水などの症状がでていたりすることもあります。これらの症状はいずれも放置しておくと大切なペットの命にもかかわる重篤なものであるので、いち早く吊り出し手術を実施する必要があるのです。

ただし、実際に手術を施術する場合にはあらかじめそのリスクについても理解しておく必要があります。ペットが非常に弱っており、もし手術に対する十分な大量が残されていない場合などには手術の途中で体力が尽きてしまう可能性があるため、比較的高齢のペットにはあまり向いていません。また、体内に侵入している成虫の量があまりに多い場合は、その分吊り出し手術に要する時間も長くなる傾向があるので、その分ペットにも負担がかかります。

そして、吊り出し手術を受けたからといって必ずしもすべてのフィラリアを摘出できるというわけではなく、まだ成長途中の小さいフィラリアの幼虫などはそのまま体内に残ってしまうことがあります。したがって、吊り出し手術を施術した後も気を抜くことはできません。

手術後にはペットの回復をしっかりと観察して、フィラリア症の症状が認められなくなったことを確認すると共に、体内に微量に残っている可能性のあるフィラリアの幼虫を完全に除去するために治療薬の服薬を定期的に受けるようにすることが大切です。吊り出し手術と治療薬を適切に用いることで、ペットのフィラリアを完治させましょう。

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